苦しんでいる先生を前にして不謹慎だけれど……キス、したい。


なんて、思ってしまったんだ。


中腰になって先生の顔の横に手をつき、グッと体重を乗せる。


ほぼ2人分の重みにベッドがギシッと悲鳴をあげた。


目を閉じている先生の顔にそっと顔を近づける。


呼吸が互いの前髪を揺らす距離。


ドキドキと鼓動が少し早くなる。


まるでいたずらをしようとしている子供のような気分だ。


でも、もう止まれない。


唇をグッと押し付けると、いつもより熱い熱が伝わってくる。


先生、まだ熱が下がってないんだ。


体温計を使わなくても唇からそれがわかる。


心臓はトクトクと小さく音を立てて、だけど次第にそれを小さくなっていった。


もっと触れていたい。


相手が動けないことをいいことに、そんな我儘な気持ちが溢れてくる。