1分経過すると体温計が鳴って、あたしは先生からそれを受け取った。


「わっ! 38度9分もある!」


想像よりもずっと高い熱にあたしは目を丸くする。


もうすぐ40度を超えてしまいそうな高温に、あたしはチェストの中の薬を確認した。


よかった。


座薬の解熱剤がある。


「先生、これ使って」


「悠真……だろ?」


「わかった。ね、お願い悠真。これ使って熱を下げて」


箱の中から一錠取り出して先生に渡す。


「俺……これ、嫌いなんだよな」


「こんな時になに文句言っているの」


「親がさ……勝手にこういうの用意して置いていくんだ」


「へぇ、そうなんだ」


あたしはそう返事をしてから、少し違和感を感じた。