イケメン先生は危険男子でした!?

そう考えながら、あたしはそろりそろりと部屋の中に入って行った。


広いキッチンを通り抜け、そっとドアの前に立って耳をすませる。


今は物音は聞こえない。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、一気にドアを開いた……。


瞬間。


広い部屋の奥からせき込む声が聞こえてきて、あたしはそちらへ視線をやった。


奥にはベッドが置いてあり、その上に誰かが寝ているのが見える。


それ以外に人影は見えなくて、あたしは一先ず肩の力をぬいてバッドを床に下ろした。


「……先生?」


そっとベッドに近づき、声をかける。


すると、頭までスッポリ布団をかぶっていた先生が顔をのぞかせたのだ。


「……あれ?……詩?」


先生の顔は赤く、声もガラガラだ。


ひどく風邪をひいているみたいだ。


「先生、どうしたんですか!?」


あたしは慌ててベッドに駆け寄って先生のオデコに手をのせた。


すごく熱い。


一体何度熱が出ているんだろ。