カンナはそう言い、なにかをふっきるように笑顔を浮かべた。


カンナ……。


「だから詩も……。今しかないかもしれないその気持ちを、大切にしてね」


カンナにそう言われ、あたしは自分の胸にそっと手を当てた。


先生と出会った時からずっと胸の内側でくすぶっている熱い想い。


それは、時には張裂けそうな痛みになり、時には体中を包んでくれる幸せのクッションとなる。


ずっとずっと、持ち続けていきたいと思う感情。


でも、持ち続けられるかどうかわからない、とてもはかない感情。


「……ここままじゃダメなんだよね……」


せっかく生まれたこの感情を大切にしなきゃいけない。


ここで、立ち止まっている暇なんてあたしにはないんだ……。