「ん……彼氏とね……別れちゃった」


小さな声でカンナがそう言った。


「え……?」


突然の告白にあたしは一瞬キョトンとしてしまう。


別れたって……他校の彼氏とってことだよね……。


中学時代から仲の良かった2人を思い出すと、すぐには信じられなかった。


「やっぱり難しいね、遠距離って」


そう言ってカンナは少し滲んだ涙を指先でぬぐった。


「でも……なんで……?」


目の前でカンナが泣いて別れたと聞かされても、気のきいた言葉なんて出てこなくてもどかしい。


「やっぱり、すれ違いかなぁ……」


「……そうなんだ……」


「でも、彼と一緒にいた時はあたしも夢中になれてた。


一生懸命だった。だから、いい思い出なの」