先生が処分を受けてから数日後。


クラスは先生がいないことに柔軟に対応し、今ではそれほど違和感もなく話題にも上がらなくなっていた。


中にはあたしと先生の関係を疑っている子もいるみたいだけれど、それを表だって確認しにくるようなことはなかった。


柳本先生はあたしを車に乗せたことは認めたけれど、


それはあたしが家の近くのコンビニでナンパされている現場を見つけたから送って帰ったのだと、嘘をついたのだ。


人生経験の豊富な浦木先生はそんなことには騙されなかったが、表向きには柳本先生の言い分を説明してくれた。


「詩、大丈夫?」


先生が学校からいなくなって元気のないあたしに、カンナが心配そうに声をかけてくる。


「大丈夫だよ」


あたしは笑顔を作り、いつも通りの返事をした。


「詩、いつも『大丈夫』って言うけど、全然大丈夫そうに見えないよ?」


「……そうかな?」


「そうだよ。詩らしくない」