その光景に、あたしは改めて柳本先生はすごい人なんだと確信した。


安岡君は他の先生に注意されても聞く耳を持たず、ピアスも茶髪も、やりたい放題なんだ。


杉田君の方も安田君に負けず劣らずで、拘束違反ばかりの生徒だ。


そんな2人をここまで落ち込ませるなんて、先生一体どんな説教をしたんだろう。


そう思っていると、カンナがそっとあたしに耳打ちしてきた。


「柳本先生って案外やるじゃん」


「でしょ」


あたしはまるで自分の事をほめられているような気分になり、嬉しくなったのだった。