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そして、あたしは今教室で茫然としたまま椅子に座っていた。


先生がすべての罪をかぶった後、浦木先生がなにか言っていた気がする。


でも、それがなにか思い出せないでいた。


あの後頭の中は真っ白になり、なにも記憶できる状態じゃなかったんだ。


「詩……大丈夫?」


ぼーっと黒板を見つめているあたしに、カンナが後ろから声をかけてきた。


「……え?」


「なんか、様子がおかしいよ?」


カンナはだいたいの事情を理解している。


でも、それを直接口に出すことはなかった。


「うん……大丈夫」


そう返事をしても心は完全に上の空。


さっき他の先生が教室へ来てホームルームをしていったっけ。


あれ?


それってどうしてだっけ?


「柳本先生1か月の謹慎処分だってぇ」


クラスメイトからそんな言葉が聞こえてきて、あたしはハッとした。