足をもつれさせながら走ってようやく学校へ到着すると、あたしはすぐに先生の部屋へ向かった。


最近来ていなかった【資料室】。


その空気はいつもと少し違う気がして、あたしは一旦足を止めた。


肩で呼吸をしながらぼさぼさになった髪の毛を整える。


そしてノックしようと手を伸ばした時……。


中から人の話声が聞こえてきて、手を止めた。


「柳本先生、これは一体どういうことですか！？」


女性の怒ったような声。


この声は……教頭の浦木先生だ。


どくとくの高音で怒るこの声は、何度も学校内で聞いたことがある。


この部屋に浦木先生がいるということは……もしかして……。


悪い予感が胸をよぎる。


どうしよう。


頭の中が真っ白になる。


でも、冷静に考えている余裕なんてなかった。