イケメン先生は危険男子でした!?

そう思うと少し胸が痛んだが、そんな事を言っている場合でもない。


あたしは痛んだ気持ちをぐっと自分の中に押し殺し、必死で悠真の後ろをついていく。


そうして15分ほど歩いた所で、ふいに悠真が立ち止まった。


ずっと速足で歩いていたあたしは、軽く息が切れていた。


「悠真……ここ?」


悠真が立ち止まった場所には地下へと続くコンクリートの冷たい階段があるだけで、お店や建物の看板は見当たらなかった。


「あぁ……。詩はここで待っていろ」


悠真は階段を見つめたままそう言う。


けれど、あたしはそれにたいして「嫌。一緒に行く」と、返事をしたのだ。


悠真は少し驚いたようにあたしを見る。


「ここから先は本当に危険だ」


「……わかってる」


あたしは真剣な表情でそう答えた。


本当は、きっとあたしの想像を超えるくらい危険な場所なんだろう。


悠真からすればあたしなんて心の準備すらできていないかもしれない。


それでも。