周囲の民家から漏れる明かりに、ブルーの外灯。


時々通り過ぎて行く反対車線の車。


それらを通り越して、悠真の車は街の中心部へと来ていた。



大きなデパートや商店街がならぶこの一角は、さすがにこの時間帯でもにぎわっている。


悠真はその中の有料駐車場に車を停車した。


「行くぞ、詩」


「う、うん」


悠真に促されて外へ出ると、少し冷たい風が頬を撫でて行った。


仲間をおとしいれた人間が、この周辺にいる。


チラリと横目で悠真を見ると、運転中よりも更に険しい表情を浮かべているのがわかった。


いつもはあたしに歩調を合わせてくれている悠真だけれど、今日はあたしを置いてどんどん先へ先へと進んでしまう。


あたしはそれに置いて行かれないように、小走りでついていく。


悠真は一刻でも早く犯人を見つけ出して、山口という仲間を助けたいんだ。


だから、あたしのことが目に入っていないのかもしれない。