さすがに少し怖くて、あたしは安岡君にくっつくようにその場に立っていた。


そして10分後。


ようやく先生がステージ上に姿を見せ、周囲のざわめきは消えて行った。


さっきまでの危ない言葉が消えただけいくらか気分が楽になり、ホッと息を吐き出した。


先生は教卓の前に立つ時とは違い、我慢していたいらつきを隠そうとはしなかった。


現れたときからクッキリと眉間に刻まれているシワ。


眉と目は吊り上がりメンバーを見回す時の威圧感がビシビシと伝わってくる。


その雰囲気に誰も一言も発さなかった。


「今日集まってもらった理由は、みんなもう知っているな」


先生が……ううん、悠真がそう言うと、めんばーが無言のまま頷く。


その表情のどれもが真剣そのものだ。


「仲間の山口陽太(ヤマグチ ヨウタ)が誰かに名前をかたられ、ハメられた」


悠真はギリッと歯を食いしばり、怒りをむき出しにしている。