丘の上にはすでにいくつものバイクや車が集まっていて、倉庫の中はこの前以上の熱気とざわめきに包まれていた。


「もう今日の集会の事情は全員知っているんだ。だから殺気立ってる奴らも何人かいる。離れないように、気を付けて」


安岡君がそう言い、あたしの手を握る。


その当たり前のような行為に一瞬ドキッとする。


恋のドキドキじゃなくて、先生に見られたらどうしよう。


というドキドキだ。


杉田君が携帯電話で時間を確認すると、19時50分を表示していた。


もうすぐ、先生がここに来る。


また、昼とは違う先生を見ることができるんだと思うと、今度はそのせいで心臓がドキドキしてくるのがわかった。


でも……。


安岡君の言う通り、まわりのメンバーたちはすでに喧嘩をする気満々のようで


「殺してやる!」


とか


「見つけ次第半殺しだ!」


なんて、危ない言葉があちこちから聞こえてくる。