あたしは姿見に自分の体を移した。


思っていたよりもずっとしっかりとした表情の自分が写っていて、自然と笑顔が浮かんだ。


「せっかく安岡君と杉田君が誘ってくれて、両親も出かけることを承諾してくれたんだもんね」


鏡の中の自分に向かってそう言い聞かせるように呟く。


「あたし。少しでも【黒龍】の……先生の力になりたい」


そう言い、あたしは更に準備を進めたのだった。