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髪を乾かしてリビングへ入ると、時刻は18時が近くなっていた。


考え事をしながら入っていたから、知らないうちに時間が経っていたようだ。


「あら、出たのね」


お風呂から出たあたしに気が付いて、お母さんがそう言った。


「うん。いいお湯だったよ」


「そう。お母さんも入ろうかしら」


そう言い、ソファから立ち上がるお母さん。


あたしの横を通り過ぎてリビングを出る寸前に、あたしは口を開いた。


「今日ね……今日……これから出かけてもいいかな?」


あたしの言葉が、リビングの時間を止めたように感じた。


テレビの音が突然小さくなり、息苦しさを覚える。


テレビを見ていたお父さんがこちらを振り返り、リビングを出ようとしていたお母さんが立ち止まる。


「出かけるって……どこへ?」


そう言ったのは、お母さんだった。


心配そうな表情を浮かべている。


「せ……先生と……」


心臓がドクドクと音を立てる。


こんな時間に先生と出かけるなんて、親からすれば心配するに決まっている。