「カンナだって。恋しているでしょ?」


かんなとあたしは中学時代からの親友。


そして、カンナには中学2年から付き合っている彼氏がいるのだ。


「恋ねぇ……どうかなぁ?」


「彼氏とうまく行ってないの?」


「うまく行ってるとか、行ってないじゃなくて。相手が遠い高校に通っているでしょ? だから会う時間がなくって」


カンナはそう言い、四角い空を見上げた。


「あ、そっか……」


カンナの彼氏は勉強が得意で、地元の高校へ行くよりも県外へ出た方がいいと聞いたことがある。


そんな彼氏の学力には到底及ばず、カンナはあたしと同じ地元の高校に通う事になった。


最初、県外なんて出ずに地元に行けばいいのにと、あたしは思っていた。


だけどその時カンナはこう言ったんだ。


『あたしが彼の可能性を潰すことはできないよ』


と……。