「君は……詩の担任教師じゃないのか?」


お父さんは先生の顔を覚えていたみたいで、鋭くそう聞いて来た。


一瞬、あたしの心臓がドクンッと跳ねる。


先生だってバレちゃった……。


先生がこんな格好で、生徒と夜遅くまで出歩いていたなんて事になると、きっとただじゃ済まされない。


心臓がドクドクと跳ねて背中に嫌な汗をかく。


「……そうです。担任の、柳本です」


先生は頭をさげたままそう答えた。


「そうか……君と詩との関係は?」


お父さんの声がワントーン低くなり、怒っているのがわかった。


「はい……お付き合いさせていただいています」


「せ、先生!?」


その返事にあたしは驚いて声をあげた。


あたしが先生を脅して付き合ってもらっているダケなのに、どうしてそんな事を言うの!?


誰にもあたしたちに本当の関係を言う必要なんてないのに!