あたしは総長専用のステッカーをキュッと胸にかかえた。


先生とあたししか持っていないステッカー。


そう思うと、急に愛しさが込み上げてくる。


「そんなに、嬉しい?」


クスッと笑う先生。


「嬉しい!」


そう言うと、先生があたしの体を引き寄せた。


まわりにはまだ帰っていないメンバーもいるのに、そんなのお構いなしで抱きしめられる。


「せ、先生!?」


「悠真」


咄嗟に『先生』と呼ぶと、先生は怒ったような声でそう言った。


「は……悠真」


「いい子」


先生はそう言い、あたしからスッと身を離したか思うと、今度は唇を近づけてきた。


反射的に目を閉じると、チュッと軽く音を立てたキスが降ってきた。


小鳥が餌をついばむようなキスに、思わずキュンとする。


先生って、こんなキスもするんだ。


「じゃ、行くぞ」


「うん」


こうして、あたしは先生と2度目のドライブにでかけることになった。