ステージ上では捕まった男たちが頭を下げて、もうこの縄張りで悪さはしないと誓いの言葉を言わされている。


「と、いうことだ。この件に関してはみんなにもよく動いてもらった。ありがとう」


先生はそう言い、みんなに頭を下げた。


「総長なのに、みんなに頭を下げるんだ……」


「あぁ。黒龍の総長はうまく全員を使いながら、ちゃんと礼や謝罪もするんだ。

だから、よけにみんな付いて行きたいって気持ちになる」


安岡君がそう言う。


そっか。


なんとなくわかる気がする。


総長だからと言って大きな顔をするだけの人よりも、みんなのことを考えているのかなって、感じるもんね。


それはとても先生らしく思えて、あたしは思わず微笑んだのだった。