先生に言われた通り、各列の一番後ろの子たちが解答用紙を集めてくる。


あたしはその子に自分の解答用紙を手渡して……「やっぱ、いい。あたしが持って行ってあげるよ」そう言い、その子から1列分の解答用紙を受け取った。


「あ、ありがとう詩ちゃん」


笑顔になるクラスメイトに軽く手を挙げ、あたしは席を立った。


教卓に一歩近づくにつれて、昨日キスしてしまったことを思い出してドキドキした。


「はい、先生」


「お、サンキュ詩。詩はテストバッチリだったろ?」


「当たり前でしょ?」


あたしと先生は小声でそう話す。


あたしだけ特別になったように感じて、心の奥がジワリと熱くなり、嬉しさが顔に出る。


「採点、楽しみにしてろよ」


先生はそう言い、またあたしの大好きな笑顔を見せてくれたのだった。