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その日の夕飯はいつもより少し頑張ってハンバーグを作ってみた。


先生とのドライブを思い出すと嬉しくて、何か作ってみたい気分になったのだ。


「詩も頑張ればできるんじゃない」


仕事から帰ってきたお母さんとお父さんが、おいしそうにハンバーグを口に運ぶ。


それを見ていると、あたしは更に嬉しい気分になった。


いつか先生に食べてもらえるくらい美味しいものがつくれたらいいな。


なんて考えて、１人でニヤニヤしてしまう。


「詩、今日は上機嫌だな」


お父さんがそんなあたしに気が付いて、そう言ってきた。


「そうかな？」


あたしは首を傾げて素知らぬ顔をする。


その時だった。


あたしの足元にアランが駆け寄ってきた。


ハンバーグのにおいにつられて来たようだ。


普段なら人間と同じ食事を与えたりはしないんだけれど、今日は特別だ。


あたしと先生とくっつけてくれたのはアランだもんね。


そう思い、あたしは箸でハンバーグを少し切って、アランに差し出したのだった。