柔らかくて暖かくて、少し湿った感触。


「んっ……」


突然の事で目を丸くし、次の瞬間には甘いキスにトロンとしてしまうあたし。


しばらく触れ合っていた唇がゆっくりと離されて、あたしは目を開けた。


「どう? 現実味が出た?」


ニヤリと笑ってそう言う先生。


あたしは自分の顔がカッと熱くなるのがわかった。


「先生の……バカッ!」


「なっ!? バカとはなんだバカとは!」


「そんなことばっかりしてたら、本気にしちゃうんだからね!?」


あたしがそう言うと、先生は眉間にシワを寄せてあたしを見つめた。


「本気って、なんのことだよ?」


「知らない!」


簡単にキスなんてしてくる先生にあたしはプイッとそっぽを向いたのだった。