「ねぇ先生……」


「ん?」


「さっき空家にいた人たちって……誰?」


恐る恐るそう聞くと、先生は「あぁ、あいつらか」と、言った。


「あいつらは他の縄張りのやつら。最近この辺で遊びまわっているみたいなんだけれど、遊び方が厄介でな」


「厄介って?」


聞かなくてもなんとなく理解できていて、心臓がドキドキしているのがわかる。


「ん……大麻の販売……とかな」


やっぱり。


先生が前に安岡君と杉田君に問い詰めていたことを思い出す。


その真犯人だったってことだ。


思い出すと恐怖でゾクリと背筋が寒くなる。


先生はそれ悟ったのか、あたしの手を片手でキュッと握りしめてきた。


「大丈夫。詩の犬のおかげであいつらの居場所がわかって、おっぱらえたから」


「へ……?」