アランの散歩コースはあたしの通学路で、美丘高校までの道のりだった。
アランはいつもあたしが素通りしている道端の草木を見つけては立ち止まり、背の引くい花に鼻先をよせた。
そうやってアランが立ち止まるたびに、あたしは毎回「あ、こんなところに花が咲いていたんだ」と、気づかされているのだ。
犬の視線と人間の視線は違うけれど、自分が普段からいかに周囲が見えていないか痛感させられる時間だった。
今日もアランはいろんな場所で立ち止まり、小さな好奇心を思う存分に発揮する。
歩いて15分の道のりを30分かけてゆっくりと歩いていく。
徐々に見え始める美丘高校の建物に、ふと、今日は先生がいるのかな?
と、考えた。
土日でも先生はなかなか休めないんじゃないかな?
そう思い、【資料室】のある場所へ視線をやる。
しかしここからじゃ塀が邪魔して【資料室】は見えない。
「アラン、そろそろ帰ろうか」
30分も歩いたし、もう満足しただろう。
アランはいつもあたしが素通りしている道端の草木を見つけては立ち止まり、背の引くい花に鼻先をよせた。
そうやってアランが立ち止まるたびに、あたしは毎回「あ、こんなところに花が咲いていたんだ」と、気づかされているのだ。
犬の視線と人間の視線は違うけれど、自分が普段からいかに周囲が見えていないか痛感させられる時間だった。
今日もアランはいろんな場所で立ち止まり、小さな好奇心を思う存分に発揮する。
歩いて15分の道のりを30分かけてゆっくりと歩いていく。
徐々に見え始める美丘高校の建物に、ふと、今日は先生がいるのかな?
と、考えた。
土日でも先生はなかなか休めないんじゃないかな?
そう思い、【資料室】のある場所へ視線をやる。
しかしここからじゃ塀が邪魔して【資料室】は見えない。
「アラン、そろそろ帰ろうか」
30分も歩いたし、もう満足しただろう。



