それからあたしは家に帰ってからかんなに電話をかけ、安岡君と杉田君に脅されているという誤解を解いた。


どうすればカンナが納得してくれるか考えた末、他校の不良に絡まれている所を助けてもらった。


という話をでっち上げた。


不良の2人との出会いなんて、他に思いつかなかったんだから仕方がない。


《絡まれたって、詩大丈夫だったの?》


「大丈夫だよ。2人が助けてくれたんだから」


《そっか。詩は可愛いんだから気をつけなよ?》


「あははっ! 何言っているの、かんな」


《……自覚ないんだから》


はぁ。


と、カンナのため息が聞こえてきて、あたしは首を傾げたのだった。