「あたしは大丈夫だよ」


「それを聞いたら安心した」


そう言い先生は目を閉じる。


脅しているのはあたしの方なのに。


先生はそんな事気にも留めていない様子で、あたしの事を心配する。


「ダメだよそんなに優しくしちゃあ……勘違いしちゃうよ、あたし」


小さな声で、そう呟く。


先生がその声に気が付いて目を開けあたしを見上げた。


「今、なんか言った?」


「……ううん。なんにも……」


あたしはそう返事をして、愛しいその人の頬にそっとキスをしたのだった。


いつか、お互いに愛情のあるキスができますように。


そう、願って……。