「俊介………死なないよね………?」
前を歩いてた奈々が立ち止まって言う
私は何も言えず立ちすくんでしまった
「死ぬ訳ねぇーよ」と大河がボソッというが
奈々に聞こえてるのかわからない
「俊介が死んだら、きっと次は私なんだ
死ぬんだ…………
怖いよ……嫌だ……」
奈々は泣きながら私に抱きついてきた
「死なないから大丈夫だよ」
何とか声を絞り出して奈々の背中をさする
奈々は今まで何度泣いているんだろう……
きっと私よりも奈々は何倍も苦して怖い
思いをしているのかもしれない
だからこそ私が奈々を励ましてあげなきゃ
いけないのに今の私には言葉が出てこない


