「そっか……」
やっぱりいるよな……好きな人くらい……
誰なのか……聞こうと思ったけど
実空の口から出てくる名前が怖くて
これ以上聞くことは出来なかった
「大河!」
実空はそう言うと俺に抱きついてきた
心臓の音が静まり返った部屋に響き渡る
俺の心臓の音と……実空の心臓の音……
「私、大河が好きだよ」
「…………え?」
俺のことを……実空が……スキ??
「俊介とは違った感情なの……
幼なじみとも好きだけど
恋愛感情で、大河が好き」
実空を見てみると顔はよく見えなかったが
耳まで真っ赤になっていた
俺はどうしても実空の顔を見たくなって
俺にくっついてる実空を少し離して
顔を手でくいっと上げた
そこには顔を真っ赤にした実空の顔があった
それが俺に移るように俺まで
顔が赤くなってくるのがわかる


