「私ね、優心を生んだの、18歳の時なの」



ビックリした


若いとは思ってたけど…


「みんな、私たちのことを変な目で見てきた。それが嫌で仕方なくてね。でも、柑奈さんだけは私に優しくしてくれたの。就職して県外に行ってたのに、暇さえあると私のところに来てくれて、優心の世話とかしてくれたの」


…知らなかった


お母さんとみーちゃんにそんな繋がりがあったなんて


「私、もともと進学するつもりだったんだけど、優心が生まれたから就職することにしたの。でもなかなか雇ってくれるところがなくて…主人の収入だけでは優心を育てることができなかったの。そんな時、仕事をくれたのも柑奈さんだった」


「でも、やっと就職できたっていうときに…主人が亡くなったの」


「…え?」


「不慮の事故。居眠り運転の車が突っ込んできたの。主人の保険とかで何とかやりくりできたんだけど、主人が居なくなったことで私は精神的に限界だった。泣いてる優心を無視することもあって…」


「相談できる相手もいなくてね。辛かった。柑奈さんにだって言えなかった。柑奈さんはもう結婚してたから、これ以上迷惑はかけられないって思って」


「でも柑奈さんは来てくれた。誰に聞いたとかはわからないけど、泣き止まない優心とガリガリに痩せた私の姿を見て柑奈さんは泣きながら私を抱きしめてこう言ったの。『あなたは独りじゃないのよ!優心くんがいるじゃない!あなたはまた大切な人を失いたいの!?』って。そう言われて、目が覚めたの。あの人が残してくれた優心を、私の宝物を失うところだったって」