約束の時間はとうに過ぎてしまっているのにアルファスはいっこうに姿を見せない。
愛世は立派な刺繍が施された幕を開いて外を見ようとした。
その時である。
「っ!」
「きゃあっ!」
ガツンと頬の辺りに何かがぶつかり、愛世は後ろへと弾き飛ばされた。
ちょうど部屋に入ろうとしたアルファスとぶつかってしまったのだ。
何が何だか分からなかったが、愛世は倒れた時の衝撃に耐えようと歯を食いしばった。
一方アルファスは咄嗟に愛世を掴んで身体を反転させると、彼女を庇うように抱き締めた。
「あ、の」
「大丈夫か?!」
ソッと眼を開けると、床に倒れているにも関わらず愛世はどこも痛くないことに気づいた。
アルファスにかばわれたのだ。
「……」
「……」
間近で互いの瞳を見つけ、ふたりは思わず息を飲む。
愛世の眼に映ったアルファスは、ホッとしたようにこちらを見ている。
そんなアルファスの瞳に、小さく開いた桃色の唇と、潤んだ眼が飛び込む。
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?!」
次の瞬間、愛世は慌ててアルファスから離れようとした。
一方アルファスはもがく愛世を見下ろしたまま、その腕を解こうとしなかった。
「あの、王様」
瞬間、アルファスがニヤリと笑った。
愛世は立派な刺繍が施された幕を開いて外を見ようとした。
その時である。
「っ!」
「きゃあっ!」
ガツンと頬の辺りに何かがぶつかり、愛世は後ろへと弾き飛ばされた。
ちょうど部屋に入ろうとしたアルファスとぶつかってしまったのだ。
何が何だか分からなかったが、愛世は倒れた時の衝撃に耐えようと歯を食いしばった。
一方アルファスは咄嗟に愛世を掴んで身体を反転させると、彼女を庇うように抱き締めた。
「あ、の」
「大丈夫か?!」
ソッと眼を開けると、床に倒れているにも関わらず愛世はどこも痛くないことに気づいた。
アルファスにかばわれたのだ。
「……」
「……」
間近で互いの瞳を見つけ、ふたりは思わず息を飲む。
愛世の眼に映ったアルファスは、ホッとしたようにこちらを見ている。
そんなアルファスの瞳に、小さく開いた桃色の唇と、潤んだ眼が飛び込む。
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?!」
次の瞬間、愛世は慌ててアルファスから離れようとした。
一方アルファスはもがく愛世を見下ろしたまま、その腕を解こうとしなかった。
「あの、王様」
瞬間、アルファスがニヤリと笑った。


