近衛兵でありながら都を離れ、山賊狩りを命じられた時は正直、王に噛みついたが……今となればそれも悪くなかった。
何故ならこんなに可愛く、魅力的な女を見つけられたのだから。
焚き火の炎が愛世の横顔を照らし、愛世を更に神秘的に彩っている。
そんな愛世に、ディアランは胸が高鳴るのを感じた。
…どうやら俺は、本気でこの女を自分だけのものにしたいらしい。
さて、帝国きっての策士としては、どこから彼女を切り崩すべきか。
ディアランは月に眼をやりながらこう思った。
いつものやり方では通用しまい。
そんな予感に胸が浮くようで、ディアランは少し微笑んだ。
****
愛世は本当に兵達に紛れて眠り込んでしまった。
一方ディアランは、隊長専用のアクヤへとひっこんだものの、その僅かに開いた幕の隙間から、愛世を見守り続けた。
酒の入った兵達の間で女がひとりで眠るなど、危なくないわけがない。
だが兵達は、愛世をどうにかするなどという気は全くなかったようだった。
当たり前である。
隊長であるディアランが自ら面倒をみようとしている女に、手出しする部下などいるわけがない。
何故なら部下達は、ディアランを尊敬し慕っている。
彼もそれを知っており、皆を可愛がっていた。
いや、そういう事ではないのだ。
何故ならこんなに可愛く、魅力的な女を見つけられたのだから。
焚き火の炎が愛世の横顔を照らし、愛世を更に神秘的に彩っている。
そんな愛世に、ディアランは胸が高鳴るのを感じた。
…どうやら俺は、本気でこの女を自分だけのものにしたいらしい。
さて、帝国きっての策士としては、どこから彼女を切り崩すべきか。
ディアランは月に眼をやりながらこう思った。
いつものやり方では通用しまい。
そんな予感に胸が浮くようで、ディアランは少し微笑んだ。
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愛世は本当に兵達に紛れて眠り込んでしまった。
一方ディアランは、隊長専用のアクヤへとひっこんだものの、その僅かに開いた幕の隙間から、愛世を見守り続けた。
酒の入った兵達の間で女がひとりで眠るなど、危なくないわけがない。
だが兵達は、愛世をどうにかするなどという気は全くなかったようだった。
当たり前である。
隊長であるディアランが自ら面倒をみようとしている女に、手出しする部下などいるわけがない。
何故なら部下達は、ディアランを尊敬し慕っている。
彼もそれを知っており、皆を可愛がっていた。
いや、そういう事ではないのだ。


