スセリの花冠

そこに身を預けながら、愛世は美しい夜空を眺めていた。

……夢みたいだ。

……これからはいつでもこうして空を見上げる時間を持てる。

私、この国で生きていけるのね。

愛世が想いを馳せようとしたまさにその時であった。

「アイセー!!」

威勢のよい声に、思わず背中がシャンと伸びる。

あの声は…セロ!!

愛世は声の方向に眼を向け、太陽のような笑顔で走ってくるセロの姿を捉えた。

「セロ!」

愛世も駆け出し、嬉しさのあまりセロに抱きつく。

普段ディアランの眼を気にしているセロも、この時ばかりは我を忘れて愛世を抱き締めた。

「アイセ、アイセ」

「セロ!元気になったのね!良かった!!」

セロも嬉しくて、何度も頷きながら愛世に言葉をかける。

「アイセ、良かったな!本当に良かったな!」

二人は顔を見合わせて笑い合い、再び抱き合った。

その時である。

物凄く不自然で大袈裟な咳払いが聞こえ、反射的にセロの身体が硬直する。