***
「アイセ」
神殿から出たところで名を呼ばれ、愛世はアルファスの姿を見つけた。
「アルファス…」
愛世はアルファスに頭を下げると、涙が出そうになるのをこらえながら唇を開いた。
「アルファス、ありがとう。私のために須勢理姫を呼んでくれたのね」
アルファスは少し笑うと眼を細めて星空を見上げた。
「…お前は、この国の恩人だ。それに」
そこで一旦言葉を切り、アルファスは真顔で愛世を見つめた。
「それにお前は、兄の大切な人だ」
アルファス……!
一瞬切なげに黄金色の瞳を瞬かせたが、やがて思いきるようにアルファスは言った。
「近いうちに俺は東へ討伐に出る。その間、ディアランを頼んだぞ」
「……うん」
「アイセ。ディアランと幸せになれ」
そう言い残すとアルファスは、愛世の頭上の花冠に触れ、颯爽と踵を返した。
ありがとう、アルファス。
愛世はその気高い後ろ姿を、見えなくなるまで見つめた。
****
揺れる松明の炎が、そびえる列柱を幻想的に照らす。
「アイセ」
神殿から出たところで名を呼ばれ、愛世はアルファスの姿を見つけた。
「アルファス…」
愛世はアルファスに頭を下げると、涙が出そうになるのをこらえながら唇を開いた。
「アルファス、ありがとう。私のために須勢理姫を呼んでくれたのね」
アルファスは少し笑うと眼を細めて星空を見上げた。
「…お前は、この国の恩人だ。それに」
そこで一旦言葉を切り、アルファスは真顔で愛世を見つめた。
「それにお前は、兄の大切な人だ」
アルファス……!
一瞬切なげに黄金色の瞳を瞬かせたが、やがて思いきるようにアルファスは言った。
「近いうちに俺は東へ討伐に出る。その間、ディアランを頼んだぞ」
「……うん」
「アイセ。ディアランと幸せになれ」
そう言い残すとアルファスは、愛世の頭上の花冠に触れ、颯爽と踵を返した。
ありがとう、アルファス。
愛世はその気高い後ろ姿を、見えなくなるまで見つめた。
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揺れる松明の炎が、そびえる列柱を幻想的に照らす。


