スセリの花冠

ディアランは食い入るように須勢理を見つめたが、やがて眼を閉じると小さく返事をした。

…許されるのか。アイセの魂をその身に留め、共に生きていく事が。

それなら、俺は……!

胸の前で両手を組むと、ディアランはしばらく眼を閉じていたが、やがてゆっくりと顔をあげた。

須勢理姫は微笑んで頷くと、祈りを終えたディアランから花冠をとり、今度はそれを愛世にかぶせる。

「アイセ。受け取りなさい。ディアランの願いを」

「はい……須勢理姫」

愛世は頷いて眼を閉じた。

「…あっ…!」

その瞬間、今までに感じたことのない衝撃を覚え、咄嗟に驚きの声をあげる。

おまけに頭の先から爪先まで一気に熱くなり、倒れそうになる。

そんな愛世の頭上で、スセリノカカンがキラキラと輝き出し、人々はあまりの事に言葉を失い眼を見張った。

「アイセ」

「ディ……アラン…!」

ディアランの声が聞こえ、愛世は必死で倒れまいと両足に力を込める。

「もう少しの辛抱です」

穏やかにそう言った須勢理姫は、愛世を抱き寄せると何やら呪文を唱えはじめた。

するとまたしても愛世の身体に変化が起きる。

ああ……身体が……あんなに何かに振り回されそうだったのに……今はとても軽く感じる。