スセリの花冠

ディアランと逢えて、本当に良かった。

だから……もうこの辺で…。

愛世は身体の正面で手を合わせ、天を仰ぐと心の中で須勢理姫を呼んだ。

その時である。

「見て!」

「おお……!」

どよめきが起き、反射的に愛世は顔をあげた。

すると前方……ドロス神の石像の頭上の空間が、グニャリと歪んで見えた。

あ……!あれは…!

愛世はその歪みに見覚えがあった。

これは……病院の天井で見たものと同じだわ。

ということは、須勢理姫が来てくれるのかもしれない。

いつの間にか辺りは静まり返り、皆が見まもる中、その歪んだ空間から光が生まれた。

その光景に、王であるアルファスが眼を見開いて立ち上がる。

「須勢理姫…!」

愛世は思わず呟いた。

みるみる光が人型に変わる。

そしてその光が消える頃には須勢理姫が姿を現したのだった。

須勢理姫の姿に、あちらこちらで感嘆の溜め息が漏れる。

アルファスは眼を見張った。

これが…スセリビメか……!