スセリの花冠

それだけではない。

大臣、騎馬隊長、近衛兵隊長、巫女、祈祷師、音楽隊など、既に大勢の人々が集まっていて皆が愛世を見つめていた。

「ここへ」

「……はい」

愛世は頷くと、指示された席へと座った。

それを見たアルファスの合図で二階の音楽隊が演奏を始め、巫女たちがドロス神へ祈りを捧げ始める。

この世界は……人と神様との距離がとても近いのね。

巫女たちの祈りの声を聞いているうちに、愛世は自然と須勢理姫との出会いを思い出していた。

そういえばあの時……私、嬉しかったな。

だって神様に会えるなんて思ってもみなかったんだもの。

美しくてとても清らかで、高貴な須勢理姫。

……会いたい。

須勢理姫に、会いたい。

会ってお礼が言いたい。

それから……それから、このまま連れていってもらいたい。

どうせもうすぐ死ぬのなら、今がいい。

だってディアランを苦しめたくないもの。

今……今、皆に見守られて旅立てば、ディアランだって心に決着が付く気がする。

愛世はディアランの姿を追った。

まるで神話の神のように雄々しいディアラン。