美しいだけではなく、正しい心を持ち、意思が強い。

困難に立ち向かう強い心で一国を救った愛世。

きっと、こんな女はいない。

ディアランは唇を離すと、愛世の黒い瞳を覗き込んだ。

「君は…俺を愛してる?」

ふうっと赤茶色の瞳を瞬かせ、甘く尋ねるディアランに愛世の鼓動が跳ねる。

「聞かせてくれ」

もう分かってるクセに…。

顔を赤らめながら頷く愛世を見て、ディアランは満足そうに笑うと、彼女をそっと横たえた。

それから彼女の隣に横になると、ディアランは片方の肘をつき、髪をかき揚げながら愛世を見つめた。

薄いシャツ一枚の身体が熱い。

愛世はそんなディアランを間近に感じて狼狽えた。

「あ、あの、ディアラン」

「なに?」

「な、なにって…えっと…」

困ったように照れる表情がたまらなく可愛い。

「アイセ、好きだよ」

愛世の髪を撫でながら頬にキスし、そのまま首筋に唇を押し付けると、ディアランは甘く微笑んだ。

互いの指を握ると、ふたりは見つめ合った。

「愛してる、アイセ」

「私もディアランが好き」

アイセ……。

愛世がいとおしくてたまらず、ディアランは何度も何度も彼女を抱き締めた。