「じゃあ、アンタも私のこと好き?」


さっき聞かれたから、私も聞き返す。


『好き』


「………えぇ?!」


『ま、嘘』


さらっと余裕な感じで間宮は前を向いた。

なにさ、ちょっとびっくりしちゃったじゃん。


それで本当に好きだったら私が勝てるのに…。


意外と難しいなぁ、この勝負。




『玲緋ー、遅い!』


私たちよりかなり前を歩いていた桜菜が、

振り返って呼んだ。


私たち、歩くのが遅いらしい。


「桜菜が速いんだってばー」


『違う、翠!!』