『どーなんだよ、桜菜?』 ニコッと笑ってるはずなのに、なにこの緊張感。 ……コイツ、危ない。 「好きじゃないっつーの、バカ」 『俺は好きだけどね』 「はぁ!?」 また、叫んでしまうと翠はもっと近くに来て 私の唇に人差し指をくっつけた。 『………強がりはお終い。 続きはあのバカップルが帰ってからで』 不覚にも、いや、いつも以上にドキッとしたのは 彼の表情があまりにも大人びていたからだろうか。