藍は料理を作りつつ、こちらに耳を向けた。 私はゆっくりと話した。 「…昔お兄ちゃんに言われたの。人を言いくるめちゃ駄目って」 「言ったのか?」 「言った…」 「蓮に?」 「うん」 すると藍の顔つきは、いつも通りだった。 「何だ。もっと真剣なことかと思った」 「え?」 「大丈夫だろ。そんなん、アイツが悪いんだよ」 「そかな」 「おう、心配すんな」 藍は料理を作り終え、テーブルに並べた。 エプロンを取ると、椅子にドカッと座る。 「食おうぜ」