パチンッ。


光が弾けるように嵐は消えていなくなってしまった。


あたしはその場にペタンッと座りこんでしまう。


「柚花? いるのか?」


「開けるわよ?」


仕事から帰った両親の声が聞こえる。


そしてドアを開ける音。


あたしは呆然としたまま、真っ暗になってしまった窓の外を見つめていた。


「あぁ。今日は嵐君の誕生日か……」


あたしの部屋の飾り付けを見て、お父さんが呟くように言った。


「柚花、大丈夫?」


お母さんがあたしの肩を叩く。


あたしはようやく振り返る事ができた。