私は今、龍斗の胸の中にいる。



そう、紺野君にキスされた時に助けてもらって、慰めてもらった。


授業が始まってたが、友達にメールして適当に言っておいてもらうように頼んだ。


このまま、紺野君の隣で授業なんか受けられるはずがなかった。


ファーストキスだったのに…!!
龍斗としたかったのに…!!
大切にとっておいたのに…!!



また涙が溢れてきそうだった。


龍斗は気づいてない。

なんか、隣で百面相してる。
気づかれたくないな、また泣いてるところなんて見られたくないし…。


そう思った矢先、

「凛…?」


「…っ?!」



気づかれたくない…
泣いてるところ、見られたくない…!!



私は気づいたら、龍斗の胸の中から走り出していた。



「…おい、凛っ?!」



後ろから龍斗の声と走る音が聞こえる。


あぁ、追いかけてきてくれたりしてくれてるんだ。
それだけで嬉しくなる。