弟、時々恋、のち狼


「まだナニもオモいダしませんの?」


小さなため息。
そんな激しく呆れた空気を演出しなくとも……。


「だから人違いだってば」


アタシも、うんざりしてしまう。


「いぃえ。ロゥとアタクチがそろってイうんだからマチガいありませんっ!!」


……だから、それは根拠にはならないってば。


「さっき、ロゥがナニモノなのかキかれましたわね?
ナニモノもナニもありませんわ」


いつになく激しく口調。

……って言うか、語尾を伸ばさないでもしゃべれるんだ?

剣幕に気圧されながら、妙なことに感心した。


「はっきりイいますわ。
ミィとロゥはワレらがシュゴシン。
シンセイオウコクをスべるオウをヒゴし、このヨのシンリをスべるキョウダイ」