一年間の学習予定について説明している整った顔を、知らず、凝視していた。
きっと、すでにクラスの女子のほとんどが恋に落ちているだろう。
そう思わせるほど、教壇に立つ彼の姿は完璧だった。
王子様のような甘いマスクは、教師というにはあまりにも若い。
けれど、そんな立場が、彼を甘過ぎない知的な印象にしていた。
…………っ!
全体を見回す目がアタシを捉える。
ほんの一瞬。
確かに、交錯した視線。
ーー愛してる
カッと血が沸騰した。
全身が熱い。
慌てて机に目線を戻し、用もないのにパラパラと教科書をめくる。
何考えてんの!!
白羽先生なわけないじゃんっ!
名前だって……空いてる席を出席番号順で数えただけだよ。
知ってたわけじゃない!
…………たぶん。



