「おはよ-ございま-す」


さわやかなあいさつの飛び交う校門。
比較的新しいこの高校はまだ生徒会もやる気に溢れているらしく、新学期の初仕事なのか、役員がズラリと並んで笑顔を振りまいていた。

小鳥のさえずりと、満開の桜の似合う、気持ちの良い朝。


こんな朝が似合わないのは……世界できっと、このアタシだけ。


--挙動不審。


自分でも、そう思う。


何が悪いって……、ねぇ……。


誰に言うとでもなく、すっきりしない気持ちをかかえて、足早に歩く。
今朝は、ビクビクしながらいつもより早い時間に家を出てきた。
あの公園の方向は一切通らないように、かなりの遠回りをして。
キョロキョロキョロキョロ、常にあたりをうかがって……。


なんだったんだろう。


昨日の、こと。