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「モモが見つかったって連絡をいただいたんですけど」
依頼人、高崎さんが息を切らせて事務所に入ってきたのは、その日の夕方のことだった。
黒猫と並んでミルクを存分に飲んだかと思ったら、ソファに丸くなって寝入ったモモちゃん。
寝始めてかれこれ8時間は経っているというのに、まだまだ起きる気配はなかった。
「こちらです」
ソファを指差した私の前をすり抜け、「よかった」とモモちゃんを抱き上げる。
そこでやっと目を覚ましたモモちゃんは、「にゃ」と短く声を発した。
まだ寝ぼけ眼で、状況が分かっていないのかもしれない。
高崎さんの腕の中で、ジタバタともがいた。



