薫子様、一大事でございます!


私の呼びかけに反応するかのように、モモちゃんが「みゃあ」とひと鳴きした。


でっぷりとした身体に見合わない、か細い声。

何かを訴えるかのように大きな瞳で私を見た。


ホワイトボードに貼っていたモモの写真を手に取る。


写真よりは少しほっそりしたように見えるけれど。


……間違いないわ。
モモちゃんだ。


「北見さんが見つけてくれたんですか?」

「まあね。といっても、ジョギングしていたところで、たまたま見つけただけのことだけどね」


ジョギング?

それじゃ、怪我はもう治ったのかな。


北見さんを上から下までザッと目で追う。


見たところ、異常なし、だ。