「北見さんからだいたいのことは伺いました。私のいない間にいろんなことがあったんでございますね。北見さんがまさか常盤ハウジングのご子息だとは……」

「うん……」

「あのDCHもこんなところまで薫子様を追いかけてくるとは。私がおそばにいれば、薫子様をそんな目になど遭わせなかったというのに……。本当に申し訳ございません」


滝山が目を潤ませる。


「……滝山は何も悪くないわ」


肩を落としてうな垂れる滝山の背中に手を当てた。


「そうだよ、滝山さん。それにこうして、北見さんがちゃんと助け出してくれたんだからね」


芙美さんが、「ほら、お食べ」と滝山の好物の饅頭を握らせる。


それに気をよくした滝山は


「薫子様、これからは私がおそばにおりますから。何の心配もございません」