薫子様、一大事でございます!


いつもからかわれるばかりだったけれど、それがとても楽しかった。


DCHと結婚すれば、義理という冠は付くけれど、文字通り北見さんの妹になる。

そういう関係であっても、北見さんの近くにいられるのなら……。


「……私、」


――バーン!


そのとき、後ろのドアが激しく開けられる音が部屋に響き渡った。


驚いて咄嗟に耳を塞ぐ。


「そこまでだ、大介」


そう言い放った声に耳を疑った。


「――涼夜!? お前、どうしてここに!? 春日! 春日!」