薫子様、一大事でございます!


「あら。どうして? あんなに仲がいいのに」

「からかうのはやめてくださいよ」

「北見さんだって薫子ちゃんのことを――」

「そんなんじゃありませんよ」


芙美さんの言葉を遮る。


「妹みたいなものですから」


――妹。


嫌われていない自信はあったけれど。


妹だなんて――。


永遠に恋愛対象として見てもらえないことが確定した瞬間だった。


胸をザックリと切り込まれたような感覚に囚われる。

それほどに苦しかった。


いつの間にか膨らんでいた北見さんへの想い。